本章の課題は国有企業経験者に対するアンケート調査の結果を活用して、国有企業で得た職務経験、能力が現在の仕事にどのように活かされているか、つまり、その影響の度合い、役立度を考察することにある。この課題をめぐり、第1節では、アンケート調査の概要について説明する。第2節では、調査対象者の国有企業での教育経験を概観し、その特徴を分析する。第3節では、国有企業での仕事内容、昇進·昇格経験などの職務経験の実態を明らかにする。ついで第4節においては、国有企業での教育経験、職務経験が日系企業においてどのように役立っているのか、仕事意識、「コンピテンシー」