医療費問題は、世界各国高齢化もあって、財政的に重要な問題となっている。日本の医療保険·診療報酬制度は整備されてきたが、時代の進展につれて老人医療費などの問題が増えている。中国のそれも、未だ制度を制定·整備している段階であるが、無保険者が2003年で都市部44.8%、農村部79.1%もある。
しかし、中国の医療保険制度も個人口座など見習うべきものも多い。また後進性の優位性から、日本と同じように原価計算の実施、DRG/PPSの採用、外国資本への開放など進んだ面もある。
本稿では日本の医療保険に照準を合わせ、中国との比較を行い、あるべき姿を検討する。
他方診療報酬も医療費問題にとって重要なものであり、特に原価によって決定されるべきであるとの意見が多い。ここでは診療報酬の決定には、標準化が必要であり、この場合規模別原価算定、医師の技術評価などの要因を考慮する必要があること。