17世紀から19世紀後半にかけて多くの琉球船が中国大陸の沿海部に漂着している。これらの琉球船の漂着に関する史料としては中国第一歴史檔案館が編集した『清代中琉関係檔案選編』などに見られ、清朝の乾隆時代から光緒時代までの時期に琉球船の清朝中国へ漂着したものは多く数える。清朝檔案史料によれば、琉球国の船が砂糖を積載してどこから出帆し、どこまで砂糖を輸送しようとしていたかが判明する。そこで本論文は、中国へ漂着した琉球船に積載されていた砂糖を中心に、砂糖の生産地、輸送形態などの問題について、清朝檔案という外国史料から見た琉球王国の砂糖流通の状況について考察するものである。